Airbnbからの重要なお知らせ

2020年10月30日に、Airbnbの共同創設者兼CEOのブライアン・チェスキーは、Airbnbのホストコミュニティに次のメモを送信しました。

起業家になる前、私は1人のホストでした。すべての始まりは2007年10月10日、サンフランシスコのラウシュ・ストリート19番地にあるアパートでのことでした。ルームメイトのジョーと私は家賃を払うため、デザインカンファレンスに参加する3人のゲストに家を開放しました。それがAirbnbの最初のホストが生まれたきっかけです。その後すぐに共同創設者のネイトが加わり、私たちは誰もがホストになれる仕組みを作り上げました。

当初から、Airbnbの中心にあるのはホスティングでした。私たちはホスト一人ひとりを訪ね、部屋の写真を撮影させていただき、ミートアップを開催し、そしてお客様からの問い合わせには自分たちの携帯電話で応対していたものです。この13年間で、Airbnbのホストコミュニティは、ラウシュ・ストリートの2人のホストから世界中400万人もの規模に成長しました。

そこに新型コロナウイルスの世界的大流行が襲いかかり、旅行が一切できなくなったとき、ゲストのみなさまに全額返金するという難しい決断を行いました。これは正しい行動だったと確信していますが、ホストのみなさまに甚大な影響を及ぼしたのも事実です。決断する前にみなさまと相談しなかったことに苛立ちを持たれた方もいらっしゃいました。そうした不満をお伝えいただいたおかげで、ホストのみなさまとAirbnbの間に広がったギャップに気づくことができました。私たちはみなさまにもっと寄り添う必要があると強く感じたのです。

  • パートナーとして扱われたい
  • ホスティング方法をもっと自分なりに変えたい
  • ホストとして成長できるツールが欲しい

Airbnbはこれら一連の話し合いの結果をすぐに実行に移しました。

まず、みなさまの良きパートナーとなるべく、キャンセルや予約の基準を満たすことができなかった方を対象に、スーパーホストのステータス期間を延長いたしました。また、酌量すべき事情に関するポリシーを更新し、ゲストがキャンセルして全額払い戻しを受けることができる状況に制限を設けました。

次に、ホスティング方法をご自身でさらに工夫していただけるよう、ゲストの基準を厳しくし、ホストの設定するハウスルールがゲストの目につきやすくなるよう変更を加えました。また、ゲストがルールを尊重する責任を負うような仕組みも導入しました。

第三に、より良いホスティングを行うためのツールをご提供するため、ゲストが何を求めているのか、より細かい詳細をホストのみなさまと共有できるようにいたしました。これに対し、みなさまも応じてくださいました。たとえば、何百万人もの方が清掃スタンダードを導入してくださいました。

以上は、ホストのみなさまからのご意見をもとに新しく行った変更のほんの一部であり、私たちはこのレベルではまだ満足しません。本日は、将来を見据え、今後のパートナーシップのあり方についてお伝えいたします。

みなさまはホスティングを、使わない部屋を単に貸し出すだけではなく、価値あるものに変えました。ホスティングを芸術と科学に変え、ゲストに特別なひとときを過ごしていただくための細やかな心づかいを付加しました。家族が帰省したかのようにゲストを迎え入れ、ゲストが去ってからも長い付き合いが続くことさえあります。フロリダ州ブロワード郡のホストであるDollyさんは「世界中の方々と生涯にわたる友達になれました」と語ってくださいました。

Airbnbが上場企業になる準備を進める上で、私たちはホスティングへの取り組みとホストコミュニティへの投資を制度化したいと考えています。数年前、自問自答を始めました。Airbnbの成長に伴い、ホストが引き続きAirbnbの成功を共有できるようにするにはどうすればいいだろうか? 以来、Airbnbは、ホストのみなさまにお知らせできるこの日を楽しみにしつつ、あるアイディアに全力で取り組んでまいりました。

Airbnbホスト基金のご紹介

この度、AirbnbはAirbnbホスト基金を設立いたします。ホスト基金の目的は、現在そして次世代のAirbnbホストコミュニティを末永く支援することです。まずはAirbnbの株式920万株が本基金に寄与される予定です。Airbnbホスト基金が10億ドルを超えた時点で、ホストコミュニティへの投資を開始します。

基金は教育や資金援助など、さまざまな分野でホストのみなさまをサポートするために役立てられます。Airbnbホスト基金を設立することで、一度限りの取り組みとしてではなく、Airbnbが存続する限りホストのみなさまと成功を分かち合っていけるよう願っております。

基金から提供される資金は、みなさまからのご意見を参考にAirbnbが配分いたします。また、Airbnbホスト基金の使途について、ホストのみなさまのお声をしっかりと反映させていただくため、Airbnbホストアドバイザリーボードを立ち上げます。アドバイザリーボードは、資金をどのようなかたちでホストコミュニティに役立てるべきかについて、ホストのみなさまからのアイディアを伝えながら、Airbnbをよりよくするための改善策を提案します。つまり、資金配分の決定を行う際には、ホストのみなさまのご意見が直接Airbnbの経営陣に届けられることになります。さらに、アドバイザリーボードは毎月Airbnbと会合を持ち、協議された内容や最新情報を、定期的にホストコミュニティと共有します。

また、Airbnbホストの85%が米国外に居住し、55%が女性であることを踏まえ、ホストコミュニティ自体の多様性をしっかりと受け継ぐアドバイザリーボードとなる予定です。協議会のメンバーは年末までにご紹介いたします。

新たな取り組みを導入することで、ホスティングが常にAirbnbの中心となり、ホストコミュニティのみなさまとAirbnbの成功を分かち合っていけるものと確信しています。

この1年は非常に困難な時期ではありましたが、ホストのみなさまの逆境から立ち上がる力強さ、そして変わりゆくゲストニーズへの迅速なご対応力に、私自身が勇気付けられました。そして何より、みなさまの深い思いやりの心に感動しています。Airbnbホストのみなさまは、私がこれまでに出会った中で最も親切な方々です。他者を信頼し、自宅という最も個人的な場所に迎え入れてくださっています。

経験したことのないような孤独と断絶の時代に、ホストのみなさまに果たしていただく役割はこれまで以上に重要となっています。先月、カリフォルニア州オークランドのホスト、Dorianさんとお会いしました。Dorianさんはジュエリーデザイナーで、ご自宅の空いている寝室を活用してご夫妻でホスティングをしています。お二人にとってホスティングの楽しみとは、ゲストと出会い、お互いの共通点を見出すことなのだそうです。「結局世界はそれほど広くないんだ、という感覚が好きなんです」とDorianさんはおっしゃっていました。

Dorianさん、そして約400万人のAirbnbホストのみなさま、世界をより身近に感じられる場所にしてくださり、ありがとうございます。

みなさまお一人ひとりとホスト仲間でいられることを誇りに思います。

ブライアン

詳細はAirbnbの リソースセンターでご覧いただけます。